測定尺度
データを統計的に整理する場合、データにはいくつかの種類があることを理解しておく必要がある。
統計ソフトを利用する場合、データの種類により可能な処理が異なることがあるからである。
ある種類のデータに適用できる処理が、別の種類のデータには適用できないことがある。
だから、これを理解していないと、統計ソフトを利用していて、なぜこのデータにこの処理が適用できないのか、なんてことが起こりうる。
データを種類分けすることを分類するという。
分類するには、なんらかの基準が必要になる。
この基準のことを、測定尺度または測定水準という。
具体的には、データの表現方法を指す。
分かりやすいのは、数字で表される測定値だろう。
温度で例えてみよう。
数字で表す場合、摂氏/華氏□℃と表現する。
この表現方法が尺度だ。
摂氏50℃と表現すれば、この表現を見た誰もが、温度計が50℃を指す温度のことだと理解する。
すなわち、誰に対しても、ある一点を示すことができることから、データとしての信頼性は高い。
尺度は、数字で表すことができるものばかりではない。
言葉も尺度になる。
温度を5段階で示してみよう。
1は冷たい、2は少し冷たい、3はぬるい、4は少し熱い、5は熱い。
こんな評価を見たことはないだろうか。
こういう示し方も、尺度になる。
しかし、順序は分かるものの、データとしての信頼度は、数値で表す場合よりも劣る。
冷たいと言われても、何度を指しているのか、わからないからだ。
もっと単純化してみよう。
1は熱い、0は熱くない。
もはや、順序もなく、1と0の数をカウントすることしかできない。
データとしての信頼度は最も劣るといえる。
このように、データの表し方には種類があることが分かってもらえたと思う。。
実際には、種類ごとに名称があるので、名称とその意味するところを理解することが、統計学を学ぶ第一歩となる。