雪が降るのを見ると嬉しくなる
数日前、初雪が降った。
降ったといっても、昼頃、ごく短い間だけ、パラパラ降っただけだった。
雪が降ったとき、会社の事務所にいた。
まわりには、帰りのことを心配する人が何人かいた。
車で安全に帰ることができるか、気になるようだ。
雪に何も感慨を覚えない人、特に雪国の人にとっては、邪魔者以外の何者でもないのだろう。
ここは、年に数回雪が降る程度の土地だ。
めったに見ることがないせいか、雪が降ると嬉しくなり、積もって欲しいな、と思う。
積もったからといって、なにかいいことがあるわけではない。
ただ、一面真っ白な雪景色というのは、単純に、きれいだと思うからだ。
学生時代に、雪山に登った。
八ヶ岳の冬季縦走だ。
当然のことなら、ラッセルしながら進んでいくので、体力的にキツイ。
しかし、誰の足跡もない、一面真っ白な雪面に自分が初めて入っていくというのは、最高に気持ちよかったのを覚えている。
さすがに歳を重ねると、さすがにこんなことは、やろうとも思わなくなる。
しかし、たまにスノーシューを履いて雪原を歩いて回ったりすることがある。
やはり、足跡の無い雪面に踏み入っていくのは楽しい。
雪が降るのを見ると、こうした記憶が蘇ってきているのかもしれない。
今回は積もる気配も無かった。
この冬は、また雪が降るだろうか?