ほげほげけびんの日記

日々の出来事や感じたこと、考えたことを綴っています。

外国人と出張したある1日(6)完

会食の場所は、彼の母国の料理を出すレストランだった。

そこのシェフは本格的に料理を学んだそうで、外国人もウマイウマイとよく食べる。

それはそうだろう。昼食を抜いたうえに、ウォーキングまでしたのだから。

こちらもウマイウマイと遠慮なく食べまくる。

 

正直なところ、私は米を食べたかった。

私には酒を飲む習慣がまったく無いので、空腹に酒とつまみ、というのが非常につらい。

このときに食べたかったのは、鯖の塩焼き定食(ごはん大盛り)だった。

が、そんなことは口に出さず、代わりにパンと肉をモグモグし続けた。

 

外国人は機嫌よく話し続けている。

空腹に酒が入ったせいで、酔いが回り始めている様子だ。

彼の笑顔を見ると、朝からいろいろ大変だった記憶が薄れていった。

不慣れな外国で薬を買ったり、土産を探したりするのが大変なのは、私も承知している。

そういう彼の手助けができたのだから、いい一日を過ごせた気がした。

 

彼はというと、母国の料理の正しい食べ方をみんなに実演している。

それが、最も美味しく食べることができる食べ方なのだという。

真似をしてみると、上手だと言われた。

この歳で褒められると、なんだか照れてしまう。

 

そんなこんなで2時間が経過し、お開きとなった。

私は自宅が遠いので、帰らせてもらうことにした。

彼はというと、海外営業に頼んで、また土産を探しに行ったようだ。

招き猫では満足できなかったらしい。

 

後日、彼から、無事に帰国できたとのメールがあった。

この日本出張は、仕事も、仕事以外も、満足してもらえたようだ。

感謝の言葉を見た瞬間、嬉しさが込み上げてきた。

また日本に来たら、とことん面倒をみてあげよう。