外国人と出張したある1日(3)
東京で総武線に乗り換えるところまでは、海外営業が案内してくれるという。
これだけでも非常に助かった。
なにしろ、こちらは田舎者に外国人。
乗り換えで少し迷ったりするだけで、次の集合場所への到着が遅れてしまう。
東京駅までは、電車は停まったり走ったりを繰り返した。
しかし、予定通りの総武線に乗ることができた。
ただ、海外営業が別れ際に、今夜の会食には参加しろ、と言い残していった。
夜10時以降の帰宅が確定した瞬間だった。
この路線は人身事故の影響を受けていなかったようだ。
無事に次の待ち合わせ場所に、約束の時間ギリギリに着いた。
結局、昼食を食べることはできなかった。
人間は、お腹が減ると、様々な変化が起きる。
機嫌が悪くなる。
集中力が落ちる。
無口になる。
こんな状態だから、自分の仕事のモチベーションはだだ下がりだった。
外国人もだいぶ無口になっているように感じた。
午前中の、勢いよく話していたときの印象がまったく無い。
午後の訪問先へは予定通りに着き、みっちり打ち合わせした。
2時から4時まで・・・
このときも、会議室を4時までしか確保していない、ということで強制終了できた。
彼は話し足りない様子だった。
なんだ、この外国人、昼食抜いて元気ないと思ったのに。
話し出すと急に元気になるな・・・
空腹で通訳するこっちのことも考えてほしい。
しかし、彼はちょっと咳き込んでいて、しんどそうにも見えた。
打ち合わせが無事終わり、駅まで戻ってきた。
4時20分。
4時半の電車があるが、このあとは30分以上無い。
いい感じだ。
電車が来るまでに、コンビニでおにぎりでも買って食べようかな。
外国人が、薬を買いたいと言い出した。
今すぐに。
えっ、俺のおにぎりは?電車も来るんだけど・・・